嫁入り道具と言えば、真珠(パール)のネックレスをお嬢様へ持たせるご両親様が多くいらっしゃいます。嫁入り道具とは、結婚を控えた娘に、その後の結婚生活で恥をかかない・困らないように身の回りの物を揃えて持たせてあげるものであります。なぜ、真珠のネックレスが嫁入り道具として選ばれているのでしょうか?
【嫁入り道具として選ばれている真珠のネックレス】
真珠のネックレスは、結婚するおふたりにとって、あまりピンときにくいアイテムかも知れません。まだ、真珠って歳じゃないし、真珠ってそんなに使うことないし・・・そう思われるのは、若いうちだけです。例えば、ご友人やご親族、職場の方々の結婚式への参列をはじめ、お子様の七五三のお祝い、入園式・卒園式・入学式・卒業式など、晴れの日には真珠のネックレスがあるととても素敵ですね。大人の女性として、お葬式などお悔やみの場でもマナーとして、真珠のネックレスとイヤリングを着用することが多いです。
【良い真珠選びをするために知っておきたい品質基準】
真珠にも、品質基準があります。主な品質評価項目として、『形』『キズ』『色』『マキ』『テリ』『サイズ』の6つの項目で評価していきます。
【形】
形においては真円(パーフェクトラウンド)に近いものほど産出量が少なく希少性が高いため、評価が最も高くなり価値があるとされます。また、変形とされる形においても特にシロチョウ真珠に見られるティアドロップシェイプと呼ばれる整った涙型の形をした真珠も生産数の稀少性から、評価が高くなります。
【キズ】
真珠の表面に見られるへこみや突起、シワなどを「自然キズ」と呼びます。真珠のポツンとしたへこみはエクボと例えられ多くの方も 一度は耳にしたことがあるとは思います。また、養殖後に行われる様々な加工や処理途中に出来るキズを「加工キズ」と呼びます。品質評価ではキズが少なく、艷やかな珠になればなるほど、評価は高く希少性の高い品となります。品質評価ではキズの数、位置、大きさ、キズの種類を見極め評価されます。
【色】
真珠の色の品質評価は各真珠の種類によっても大きく異なります。各真珠の種類の中でも、産出量が極めて少なく稀少とされる色が高く評価される傾向や時代のニーズなどによっても評価が変わる傾向があり、流動的な評価となります。
【マキ】
真珠の「マキ」とは真珠層がどのように・どのくらいの厚さで形成されているかを示します。質の良いキメの細かい真珠層によって形成された真珠には、真珠の内部から発する深い輝きがご覧いただけます。例え、マキの厚さが良くてもテリの無い真珠は、真珠層の質が影響を与えているためです。そのため、マキの評価の高い真珠とは質の良い真珠層によって形成され、真珠の内部に深い光沢を持つ珠となります。マキの評価は熟練の目が必要となる要素です。
【テリ】
テリとは真珠の持つ光沢や輝きを示します。前述したようにマキの良い真珠には真珠の内部に特有の干渉色をご覧頂くことができます。干渉色は光の屈折や透過によって見える色であり、マキと密接な関係があります。テリの評価が高い商品は【マキ】と同様、質の良い真珠層によって形成されていることが条件となり、真珠内部に強い干渉色が見える珠を示します。
【サイズ】
サイズは真珠の品質要素ではありませんが、価格や希少性において重要な要素となります。珠のサイズが大きくなればなるほど、産出量が減少していき希少性も増す点から評価が高くなります。
【実は沢山ある真珠の種類】
パールを生成する貝は複数あり、その種類によってパールの種類も分けられています。ここでは主要なパールの種類とその特徴を簡単にまとめてみました。
【アコヤ真珠】
アコヤガイから産出される真珠。生産されるサイズは主に2mmから11mm。生産の大半を占めるのは日本であり、 他国では僅かではありますが中国、ベトナム、韓国においても生産が行われています。日本で生産されている真珠のほとんどはこのアコヤ真珠であり、主要生産県は長崎県、愛媛県、三重県。色はおおまかに分けるとホワイト、ピンク、グリーン、ロゼ、クリーム、イエロー、ゴールド、ブルーなどが産出され、形はラウンド、セミラウンド、セミバロック、バロックなど様々な形が採れます。
【クロチョウ真珠】
クロチョウガイから産出される真珠。生産されるサイズは主に7mmから16mmです。生産の大半は仏領ポリネシア(タヒチ)で占められ、クック諸島、 ニューカレドニア、日本では沖縄県の石垣島や西表島でも生産が行われております。色はブラック系、ブルー系、グリーン系、レッド系、ブラウン系、イエロー系、ホワイト系が産出され、形はラウンド、オーバル、ボタン、ドロップ、サークル、バロックなどバリエーション豊かな形の珠が採れます。
【シロチョウ真珠】
シロチョウガイから産出される真珠。生産されるサイズは主に8mmから18mm。主要生産国はオーストラリア、インドネシア、フィリピンにて、この他にもマレーシア、ミャンマー、タイでも生産が行われ、日本では鹿児島県奄美大島、沖縄県にて生産されています。色はホワイト系、シルバー系、ブルー系、ゴールド系、イエロー系、クリーム系などが産出され、形はクロチョウ真珠と同様にラウンド、オーバル、ボタン、ドロップ、サークル、バロックなどバリエーション豊かな形の珠が採れます。シロチョウ真珠は生産国によって特徴が異なり、オーストラリア産はサイズが全体的に最も大きく、色ではホワイト系やシルバー系が中心に採れます。インドネシアやフィリピン産はオーストラリア産に比べサイズは小ぶりですが、ゴールドやイエローの色の産出比率が高いのが特徴です。以上 の様にシロチョウ真珠は産地の海の環境によって特徴的な珠が産出されます。